【北九州市の未来は?】北九州クリエイティブ座談会レポート

2020年12月11日(金)にタンガテーブル(小倉北区馬借)にて行われた「北九州クリエイティブ座談会」の模様をレポートします。

登壇者はこの3人。

お三方の「北九州市に対する思い・考え」にあふれた、非常に示唆に富む内容のイベントでした。

左から、北九州市の下川さん、岡崎デザインの岡崎さん、PORTOの菊池さん

イベントは60分とやや短めではありましたが、市内で活動するクリエーターにとっては非常に興味深い話ばかりだったのではないでしょうか。

そのうちのいくつかを紹介したいと思います。

北九州市がクリエイティブをどう活用すべきか

まずは、「北九州市がクリエイティブをどう活用すべきか」といった話。

菊池さん:北九州市は、クリエイティブで何かを解決した実績が数も質も全然足りない。クリエイティブに携わる人を増やせば“数と質の掛け算”で、実績を積み上げていくことができると思う。

岡崎さん:普段の仕事以外で“街の課題を解決する自分の作品”を作る人が増えたらいいのでは。作品を作る場所やマインドを持ったクリエイターが増えてくると嬉しい。

菊池さん:福岡市の事例をローカライズしたものをよく見かけるが、自分は逆のことをやりたい。門司港だから、北九州だから生み出せるクリエイティブ。北九州市には、地方にいるからこそできる面白いことができる空気感はある。課題先進都市の北九州市ならきっと作れるはず。そこで自分は後に続ける道を作れたらと思っている。

下川さん:8月に北九州市のクリエイティブディレクターになって、菊池さんの活躍を目にすることが多い。まだまだポジションが空いていると思っているので、他のクリエーターにもチャンスはある。

クリエーターと広告代理店

クリエーターと切っても切り離せない「広告代理店との仕事」についても面白い話が出てきましたので紹介します。

菊池さん:北九州市には東京の広告代理店の支店はあるが、北九州市発の広告代理店が目立たない。制作に没頭できる環境があればもっとクリエーターが活躍できるのではないか。

岡崎さん:クリエイティブな視点でいうと、そもそも代理店経由の仕事が少ない。ただそれは悪いことではなく、クライアントと近い位置で仕事ができるというメリットがある。商品やサービスの企画開発など、上流の工程から関わることができる。

シティプロモーションに関して

下川さん:シティプロモーションに関しては、北九州市全体のものだけではなく地域ごとに打ち出すことも必要だと思っている。

菊池さん:北九州市のシティプロモーションの解決策のひとつとしては、北九州全体で括らないこと。北九州市という市名が良くないのかもしれない。「北九州」が自治体の名前として生まれたのも、市が発足した50数年前のこと。それまであった門司港といういいイメージが「社名変更」されて昔の良さが失われたように思える。統合している会社(=合併した五市)全体でブランディングしようとするから難しい。自分は「門司港」を際立たせるため、事業の範囲なども含めて門司港から出ないと決めている。そういうプレイヤーが地域ごとに出てくると面白いと思う。

あとは「マイナスをプラスに」。北九州は現在、イメージも社会課題も「マイナス」。北九州市はどんな人も見捨てないという雰囲気があって、欠点を欠点として見ないのが特徴だと思う。「個人のマイナスをプラスに転換できる街」として打ち出せたら面白いかもしれない。

岡崎さん:北九州市に何区があるか他県の人にも知ってもらうために、区ごとの強さを発信すべきではないか。菊池さんのように先に投資するというプレイヤーが出てきたら街が強くなると思う。プレイヤーのモチベーションをどう上げていくかが課題。

菊池さん:「社会課題を解決すること」はクリエイティブだと思う。いま、既存のビジネスモデルを変革するクリエイティブが求められている。その意味では北九州は面白いと考えている。中でも門司港は高齢化率が4割を超えており、20年後にはないお店ばかり。そういった街でどうやって暮らしを維持するか。これを楽しくクリエイティブに解決すると面白いのではないか。北九州は公害を解決して環境先進都市になれた。今度は高齢化問題。今回もかっこよくあざやかにクリエイティブで解決できれば。

下川さん:北九州市は公害の問題も治安の問題も克服したので、現在抱えている高齢化問題も解決できると思っている。シティプロモーションに関してはターゲットに刺さる施策を考えて打ち出していきたい

イベントは予定通り60分で終了。
グダグダになることもなく、とても良いイベントでした。
新型コロナ等で大変な時期ではありますが、継続開催を希望します。

取材後記
今回のイベントは客席でもいろんな方をお見かけしました。地域のニュースメディアの方、市内で多くのイベントを手掛けられている方、フリーで活躍中のアナウンサーの方など。北九州市が抱えるさまざまな問題を、クリエイティブでどのように解決していくのか、市内のプレイヤーにとっては非常に興味が湧く事案だと思います。

(協力:北九州市企画調整局地方創生推進室)