インタビュー企画「KITAQ Style 1000 Project ~北九州市の“人”をもっと知る~」

北九州の成人式は地元愛の塊だ!【エッセイコンテスト 入選作品】

エッセイコンテスト「第1回 キタキュースタイルカップ」 入選作品

東海地方出身の私が北九州市内の大学に通うようになって3年の月日が経っていた。大学に入学するまでに、北九州市について知っている事といえば、成人式が賑やかな事や博多の隣で新幹線が停まるということぐらいだった。高校の修学旅行が九州ルートで、博多駅から新幹線に乗った時に素通りした記憶がある。高校当時の私は大学で九州に来ることなど予想もしていなかったし、大学を卒業したら地元に帰るつもりでいた。

しかしながら、3年も北九州市にいると状況が変わってきて、今月発表された大学院入試の結果も合格だったため、加えてもう3年は北九州市に滞在することになり、妹まで北九州市内の企業に就職しようとインターンシップを受けにやってくるため私の周囲で北九州市との縁が出来つつあるようだ。

考えてみると、縁が出来たきっかけは北九州市の成人式に参加したことだと思う。成人式といえば20歳になる年の若者の門出を祝うイベントであり、全国どこの成人式にも参加できるとはいえ、大体の若者が中学、高校を卒業した地元の成人式に参加するだろう。残念ながら私の場合は大学の授業が重なり、地元の式に参加出来なかったが、ポストに北九州市からはがきで式の案内が来ていたことを思い出し、毎年メディアで話題になる北九州市の成人式を見てやろうと思い会場に一人で足を運ぶことにした。

会場は北九州メディアドームで小倉北区三萩野にあるスポーツ複合施設だ。鹿児島本線の急行列車で小倉に向かい、知らない若者の集団を追いかけて無料の送迎バスに乗って会場に向かった。周りはみな知り合い同士で集まってバスに乗っており楽しそうだ。私が出来る事といえば、ツイッターに「北九州の成人式に参加してきます」と投稿するぐらいだった。バス停から会場まで人の流れに沿って進むと会場のメディアドームに着いた。成人式開始の30分前に着いたためすでに沢山の人が集まっており、ドーム前の広場にはまっすぐ進めないほど若者で溢れかえっていた。服装は私のようなスーツの若者よりも、メディアで取り上げるようなド派手なお揃いの和服や花魁の衣装、学校名の入った旗、ネタだろうか女装した男性も目に入った。式自体は屋外ではなくドーム内で行われるようなので、煌びやかな世界を後にしてはがきを見せて会場入りした。

すでに会場に設置されている椅子はほとんど埋まっていて私は一人ボッチで会場の後ろで立ち見をすることになった。会場内で知り合いの学生を見つけたが地元の友達と行動を共にしているようで声をかける事は出来なかった。出身でない場所の成人式に一人で参加するのは中々勇気のいるようだと改めて思った。

暇つぶしにツイッターを確認すると北九州市出身の二人のフォロワーさんからメッセージが届いていた。一件目はトラック運転手の方で何かあれば迎えに来てくるようだ。2件目は19歳の会社員で地元の先輩に花束を渡すために会場まで来ているようだ。私の地元では後輩が先輩を祝いにわざわざ成人式まで来ることがあるのだろうかと思いつつ、これが北九州市の地元愛だと納得した。

式が始まると北九州市のローカルヒーローのキタキュウマンが司会を行い、市長の挨拶から始まり、最後は各スポンサーからの記念品のプレゼントだった。記念品は北九州空港の航空券など豪華なものがあった。数が限られていて当選者の選抜方法はドーム内の中央に設置されている大型スクリーンに拡大アップで映った人が貰えるようだ。

半数の若者は抽選会に参加せず会場の外に向かったが、椅子に座ってスクリーンに対して一生懸命にアピールして景品を獲得しようと頑張る若者のチームもあった。私としてはボッチでアピールして拡大アップに晒されると恥ずかしいと思いこっそり見守っていたが、アピールして航空券が欲しかったなと後から思った。式も終わり会場から出ると沢山の若者がグループでメディアの撮影に応じていた。そんな彼らを応援しつつ、会場を後にした。

この北九州市成人式にボッチで参加したした時の思い出話はイベントや立食パーティーでの会話として時々使える良い持ちネタとなっている。この経験おかげで北九州の地元愛を感じ、少しは私も北九州人になれたようで、今は北九州市の地元の方々と一緒にプロジェクトをやったり、ラジオ局でパーソナリティをさせて頂いたりと良い経験につながっている。

作者:はこべらさん