インタビュー企画「KITAQ Style 1000 Project ~北九州市の“人”をもっと知る~」

やっぱぁ好きっちゃ 北九州【エッセイコンテスト 入選作品】

エッセイコンテスト「第1回 キタキュースタイルカップ」 入選作品

「生まれ変わってもまた、北九州に住みたい?」と聞かれたら迷わず「YES」と答えるほど私は北九州が好き。大好き!北九州は面白い!北九州はおいしい!北九州はあったかい!北九州は刺激的!色んな要素がぎゅぎゅっと詰まってるそんな街。

広島から2歳でやって来て、20歳で結婚するまで小倉北区で育った私。結婚してお隣の遠賀郡に19年住んでいたけれど、旦那さんにサヨナラを告げられシングルへ戻る事になった私はまた大好きな北九州に3年前に戻ってきた!今では北九州に帰りたかった私の想いの強さが、むしろ旦那さんにサヨナラを言わせたのではないかと思ったりもする(負け惜しみか?)。今回、エッセイ募集動画のナレーションをさせてもらった事もあり、北九州で過ごした日々を振り返る良き時間を与えられた。全てが愛しい思い出だったりする。

幼稚園に上がるまではよく、母と共に買い物へ富野市場へ行っていた。富野市場は数年前に家事で全焼してしまい今はもう、無くなってしまったけど40年近く前は、すごく栄えていた。今は馬借に店を構える花屋のコーヤさんは当時、富野市場の入口にあった。毎日そこで母にバラを一輪買ってもらうのが私の楽しみ。手をケガしないようにとお店のおじさんが丁寧にトゲをカットしてくれて、ラッピングしてくれる。しっかりとバラを握りしめて持ち帰り花瓶にさして、香りを嗅ぐ。バラの香りはいまでも大好き。バラの匂いと共に台所に立つ母の姿や母が作る煮物の香りが蘇り、母と手を繋いで歩いた富野市場を思い出す。

北九州といえば、資さんうどんが有名だけど私の中で、小さい時から慣れ親しんだ北九州のベストうどんは「はるやうどん」だ。うどん・そば・いなり……メニューは極めてシンプル。私は毎回、うどんを注文。甘く焚かれたあげに、かまぼこネギにとろろ昆布入りの柔らかいうどん。少し背中の丸まったおばあちゃんが運んできてくれるうどんは(当時)ダシでちょっと煮込まれてるので激アツだけど、なんとも優しい味で、大人になったいまでも無性に食べたくなる。

私が6歳の時、母は37歳で車の免許を取った。それから私たちは行動範囲が広がった。門司で大好きだったお店は、「唐揚げののお福」甘辛のタレが染みた手羽先を食べた時の衝撃は凄かった!子供にしてはスパイシーすぎるがしかし止まらない……やめられない。コーラを片手に手羽をかじれば、気持ちだけは大人の仲間入りしたような気持ちになったものだ。そして「芋伝説」のスイートポテト!大きくて舌触りなめらか、さつまいもの美味しさがぎゅぎゅっとつまったスイートポテト!店の名前通り伝説として伝えていきたい逸品だ。こちらも無性に食べたくなる味である。

戸畑で大好きなのは「平凡」。中でも海鮮がたくさん入ったスペシャル焼きそばが私の思い出の味。目の前で焼いてもらう、工程を楽しみつつ店中に広がるソースの香りに気持ちは最高潮に!エンターテーメント要素の高い平凡はお腹だけでなく気持ちも大満足のお店である。

若松の思い出のお店は、「藪そば」と「丸窓てんぷら店」藪そばは私が小学生の頃、当時高校生だった姉がバスと船を乗り継いで2時間近くかけて連れていってくれたお店。暑い中歩いてヘトヘトの中食べたスタミナそば。天かすのサクサクとトロッとした甘い卵と香ばしいノリと茶そばの組み合わせがあまりに美味しくて一気に元気になったことを思い出す。そして丸窓の天ぷら。これはもう絶品。ふわっふわの天ぷらは、夕飯前のひとつだけが、もうひとつ……いやもうひとつ……と無限天ぷらと化す。大人になり再現したくて、魚のすり身を買い、卵の白身…山芋?……片栗粉……?と色々と試してみたけど、何度やっても真似できない。午前中行かないとよく売り切れの大人気天ぷらだ。

八幡西区の思い出の味は「音羽屋」の天むす。1口……いや、2口で食べ終わってしまうほどのサイズ感に、ちょっと甘めのタレが染みたえび天がなんとも贅沢で、母が天むすを買ってきてくれた日は「贅沢したな」という気持ちに浸ったものだった。ひとつひとつを噛み締め大事に食べた記憶がよみがえる。

そして八幡東区といえば「八幡のチャンポン」最初、チキンカツが、チャンポンの上に乗っているという衝撃から始まり、スープをすすれば卵が溶け込んだ柔らかい味にほっこりし。そしてシャキシャキの野菜。口の中を大火傷してでも次から次に口に運びたくなる美味しさ。チキンカツはしっかり下味がついててそしてなんといっても柔らかくてジューシー。これ作った人、天才としか言えない。最後の一滴まで飲み干してしまう。

他にも、旦過市場前の屋台で食べたおでんの味。シロヤベーカリーのサニーパンを頬張って喉に詰めた8歳の夏…野焼き直後の平尾台でわらびとりをして母の新品の白いスボンが真っ黒になった5歳のゴールデンウィークなど次から次へと思い出は蘇るが食いしん坊な私は……振り返れば9割以上食べ物の思い出となてしまった。

北九州の美味しい食べ物で元々病弱だった私もすくすく元気に大きくなり2児の母となった。そして41歳の今では孫まで出来た。このまま北九州を満喫しつつ、お婆さんになっていくんだろうなと思うと幸せな気持ちでいっぱいになる。生まれ変わったらもう一度北九州に。それくらいこの土地が好き、人が好き、景色が好き、食べ物が大好き。

どんどん変化を遂げてゆく北九州と共に、私もどんどん進化して毎日を、ここ北九州で、精一杯楽しもう!

作者:マナマナさん

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