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我らのギラヴァンツ!立ち上がってミクスタへ!【エッセイコンテスト 入賞作品】

エッセイコンテスト「第1回 キタキュースタイルカップ」 入賞作品

「北九州市と言えば何を想像するか?」と尋ねられた時、皆さんは何を思い浮かべるだろうか。

食通の人は“焼きカレー”や“門司港バナナ”を思い浮かべるかもしれないし、歴史に興味がある人は“八幡製鉄所”や“小倉城”“関門海峡”を想像するかもしれない。

しかし、自分が同じ質問をされた時は100%の確立で「ギラヴァンツ北九州」と「ミクスタ(正式名称:ミクニワールドスタジアム北九州)」と回答する。それだけ私は今、「ギラヴァンツ北九州」とギラヴァンツのホームスタジアム「ミクスタ」に心を奪われている。

少し前のギラヴァンツ

最初に申し上げてくと、私はギラヴァンツ北九州の熱狂的なサポーターではない。

小学校4年生から若松区の青葉小学校へ転校し、小倉高校を卒業するまでの9年間北九州に住んでいたことで、“地元のチーム”として何となく結果は気になっていた。もし私がサッカー小僧でなかったら結果すら気にしていなかったかもしれないし、存在すら知らなかった可能性もある。

私が幼いながらにこのチームを認識した当初、ギラヴァンツはJFLに所属し、しかも「ニューウェーブ北九州」というチーム名で活動をしていた。
そのニューウェーブ時代、戸畑の鞘ヶ谷競技場で開催されたJFLの試合で、ボールボーイを経験したことがある。試合は0-3の完敗。観客も100人いない程度。
正直、試合内容は殆ど覚えていないし、ボールボーイをしながら眠くなっていたことだけは記憶にある。
その当時、ニューウェーブのことを「地元でJリーグを目指して頑張っているクラブ」という程度でしか見ておらず、まさかのちにJリーグクラブになろうとは、夢にも思っていなかった。

しかし、私が高校生の時に、転機が訪れる。
ニューウェーブがJFLで好成績を残したことで、J2へ昇格するというのだ!(当時J3は存在していなかった為、昇格したらいきなりJ2であった)。
「え!凄いやん!」と私は興奮したが、周囲の反応は冷たく「へぇ~」というくらいで、盛り上がっているとは到底言えない雰囲気だった。
しかも、チーム名も「ギラヴァンツ北九州」に変わるという。
ニューウェーブ北九州 で慣れていた私も違和感持ったことを覚えている。
高校生の頃には「せっかくだから」ということで、J2の試合を3試合程度観戦した。
場所は、本城陸上競技場 (通称、本陸(ホンリク))。
当時のギラヴァンツのホームスタジアムだ。

今だから言えるが、到底「スタジアム」と呼べるほどの立派な競技場ではなく、青葉小時代に若松区の陸上競技大会に出場していたこともあり、私にとっても「小学生の陸上競技大会を開催する程度の場所」という印象であった。最寄駅と言える駅もなく、アクセスも良くない。既に国立競技場や日産スタジアムなどに行ったことがある私にとっては、大きな差を感じざるを得なかった。

J1昇格のチャンスを自らの手で逃し、J3へ

しかし、私が大学生で東京に住んでいた頃、明らかに風向きが変わり始めた。

母親から「北九州に新しいスタジアムができるんやって。見に行かんとね。」とLINEが来たあたりからだ。
建設計画は自分が北九州にいた頃から進んでいたようだが、北九州を離れた頃に初めて知ることとなった。しかも場所は、小倉駅から徒歩数分。大学生ながらに「最高やん。絶対行きたい。」と思ったことが懐かしい。

一方、肝心なギラヴァンツはと言うと、2014年シーズンに大躍進。
J2で5位となり、J1昇格プレーオフに進出する権利を得られる順位でシーズンを終了していた。しかし、債務超過とスタジアム(ホンリク)が昇格基準を満たしていないことで、プレーオフにすら出場できず。
唯一無二とも言えるチャンスを自らの手で逃していたのだ。

ギラヴァンツのサポーターはきっと、かなり悔しい思いをしただろう。
そして遂には、2016年にJ2で22位(最下位)となり、J3に降格。J1昇格のチャンスを掴みかけた、僅か2年後である。当然J3も立派なプロリーグである為、一度落ちてしまえば上がってくるのはとても難しい。
この結果には流石に「やってしまったな〜」と感じたことを覚えている。

ミクスタと共にJ2へ

話題となっていたスタジアムは2017年に漸くこけら落としが行われた。
名前は「ミクニワールドスタジアム北九州(通称:ミクスタ)」。

写真を見て「これは行きたい!!」と直感的に思った。
スタンドからピッチの距離が近く、海と山が見える最高の景色。
私も趣味であるサッカー観戦を通して、数多くのスタジアムに足を運んでいるため「J1にもこんなスタジアムを持っているところはなかなかない」という印象だった。

2018年、ギラヴァンツはJ3で17位。まさかの最下位に沈んでしまったが、その翌年の2019年、ギラヴァンツは生まれ変わったように大躍進。
スマホのサッカーサイトで見る結果は大体が勝利。連勝に連勝を重ね、順位表を見た時には首位に立っていた。J2昇格の現実味が出てきたのを感じ、次第に「観に行くしかない」と思うようになってきた。

そして、昇格が決まりそうな日に狙いを定め、日帰りで東京から北九州へ飛んだ。
遂にミクスタデビューである。

会場には、7,974人の観客が詰めかけた。J3の試合にしては相当の観客数だ。観客100人の頃を思い出すと、考えられない程である。
評判には聞いていたが、百聞は一見に如かず。
観客席からピッチが近く、海と山が綺麗に見えて確かに景色が良い。
どう考えても、J3に所属するチームが持っているスタジアムではなかった。
試合も4-0の勝利。遂にJ2昇格が決まり、北九州市民がギラヴァンツを応援して熱狂する姿に胸を打たれた。
次の試合、ギラヴァンツはミクスタで再び勝利をおさめ、J2の昇格だけでなく、J3での優勝も決めた。

ミクスタがギラヴァンツを強くする

昇格を決めてから約2ヶ月。
2020シーズンのJリーグの開幕戦カードが発表された。
相手はなんと、、
アビスパ福岡!!!!

見た瞬間に「ミクスタに行く!」と決めた。
アビスパは中学の小倉南FC時代、何度も凌ぎを削った相手。自分にとっては宿敵であり、リスペクトしているクラブでもある。直ぐに試合のチケットと飛行機のチケットを押さえた。 

そして、その日はあっという間にやってきた。天気は快晴。寒過ぎず最高のコンディションだ。自由席だった為、1時間半前に入ったが、殆ど埋まっていた。
何とか見つけて座ったものの、それだけ多くの人が来場していることを物語っていた。
外で昼食を取り、再びミクスタへ。既に開始5分前。いよいよ試合が始まる。選手入場の曲が鳴り始めた瞬間、1万5千人が一斉に立ち上がってスタンドを黄色く染めた。
鳥肌が立った。感動してウルっときた。

アビスパも凄い。

試合は0-1でアビスパが勝利したものの、魂のこもった素晴らしい試合だった。No.10 高橋大悟が悔し泣きしていた姿にも胸を打たれた。
しかし、結果よりも何よりも、黄色のユニフォームを着ているおじさん、おばさん、子供達が惜しいシュートに「あぁ〜!!」と本気で悔しがり、相手が時間稼ぎをしていると「ブゥー!!」と本気でブーイングをしている。

いよいよ北九州にもこの雰囲気が来たか」と実感できたことが本当に嬉しかった。
そして同時に、こう確信した。「このスタジアムがあればギラヴァンツは強くなる」と。
歌手が「東京ドームや武道館でコンサートをしたい!」と感じるのと同じく、サッカー選手も「埼玉スタジアムや国立競技場で試合をしたい!」と感じるものである。
ミクスタはそんな感情を呼び起こしてくれるスタジアムだ。

先日、サッカー女子日本代表の試合がミクスタで開催されていたことは記憶に新しいが、いつしか再びサッカーのW杯が日本で開催される暁には、ミクスタは十分会場の候補となるだろう(収容人数を増す前提ではあるが)。
近いうちには、北九州に世界のスーパースターがやってきて、ギラヴァンツがJ1王者となり、日本を代表するクラブになるかもしれない。
お隣のサガン鳥栖が、あれだけファンを増やし、J1でも上位に名を連ね、
フェルナンド・トーレスを迎え入れられたのは、(勿論それだけではないが) 素晴らしいスタジアム(駅前不動産スタジアム)を持っていたからだと、私は考えている。
だから、ミクスタを持っているギラヴァンツに出来ないはずがない!

最後に

最後になるが、今北九州に住んでいて、まだギラヴァンツの試合を観に行ったことがない方々には、是非一度、ミクスタに足を運んでもらいたい。

闘志を燃え上がらせて闘う選手
声を枯らして応援するサポーター
本気で地元チームを応援する北九州市民
その雰囲気を創り出すミクスタ

全てに感情を揺さぶられ、心を奪われるはずだ。
こんな大変な時だからこそ、サッカーで北九州を盛り上げる時だ!
さあ、みんなで立ち上がってミクスタへ!

作者:菅原 崇人さん
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