情報提供やご要望はこちらから!!

ボクシングで得た気付きを「コーチング」へ。関門JAPANボクシングジム会長・高橋正行さん

山口県下関市にある「関門JAPANボクシングジム」。ここの会長を務めるのが、北九州市出身の高橋正行さんです。

高橋会長は選手・会員の指導のほかに「関門ドラマティックファイト」というプロボクシング興行のプロモートも行う多忙な方。
そんな高橋会長が、新事業として「コーチング」を行っているとのことで、創生塾で「聴くチカラ」の講義を行う中川康文さんと一緒にジムにお邪魔してきました。
(取材日:2019年7月23日)

中川:今日は、ボクシングジムで十分に成功されている高橋会長がなぜコーチングという、言葉としては馴染みの薄い事業を始めようと思ったのかを聞きに来ました。宜しくお願いいたします。私も話を聴く仕事をしているので、今日はとても楽しみです。

高橋:どうぞよろしくお願いします。

コーチングを始めた理由

中川:そもそも、なぜ、ボクシングを教えるだけでなく、コーチングという事業を始めることになったんですか?

高橋:自身の成長を、もっと多くの方の成長に繋げたいと思ったからです。

中川:おお。いきなり本丸の話からですね。もう少し具体的に聞いてもいいですか。

高橋:僕にとってのボクシングは、人間的成長へと向かう為の一つの手段だと思っているんです。中学ではサッカーをやっていたんですが、日々技術を追求していって気づいていく面白さがありました。ボクシングも同じで、技術的戦術的な閃きや気づきという面白さを日々感じて続けてきました。

本当に面白かったのは、ボクシングそのものというよりも、ボクシングを通して得られる「気づき」だったような気がします。

ボクシングを通じて、その「気づき」の喜びを知ってもらおうと活動してきたのですが、ボクシングはまだまだマイナー競技なので、これだけで広めようとすることは難しいんですよね。ボクシングに興味のない人までなかなか届かない。

そこで、コーチングでこの人としての「気づき」を広めようと考えました。

関門JAPANボクシングジム・高橋正行会長

関門JAPANボクシングジム・高橋正行会長

高橋会長の「気づき」

中川:「気づき」をもう少し詳しく聞かせてください。

高橋:人生でいうところの「気づき」とは今までの概念がガラッと変わることです。

ボクシングで言うなら、「シュガー・レイ・レナード(1980年代に活躍したアメリカ人プロボクサー)みたいなジャブがどうすれば打てるんだ」と追い求め続けていた時、いきなり「バン!!」と閃くあの瞬間です。「これか!」という。

以前は、その「気づき」のペースが半年に一度くらいの間隔でしたが、近頃はこの「気づき」の間隔が短くなってきています。

そう、つい先日、朝起きた瞬間に新たな「気づき」があったんです。これは大きな気づきでした。

中川:それはどういう?

高橋:ここ半年間、瞑想を続けているんですが、その日は朝起きたら体がすごくきつかったんです。

このまま仕事に行かずに寝ていたいなあと思ったのですが、その瞬間に自分が「嫌がっている」ことに気づいたんですね。

これは悪い反応なんです。で、「健康で、家族がいて、そして自分が興したジムに働きに行けて、そこで選手が待ってくれている。こんなに幸せなことはないのに、なぜ行くのを嫌悪していたのか」と。

自分自身の、物事に対する捉え方や反応が間違っていたことに気づいたんです。その瞬間、自分の中で何かが音を立てて壊れました。

不満マインドが感謝マインドに変わったんです。

中川:なるほど。

すべてに対して”無い”が前提にあるマインドだったんです。”無い”から頑張るという。そうではなくて”ある”のマインドにならなければならない。こんなに”ある”のに。それから”ある”を受け入れて感謝マインドに変えていきました。

そこから周囲の流れも大きく変わりました。その週は13個くらい良いことが次々に起きました。

「気づき」の間隔が短くなるとともに、自分の人生がどんどん加速していってる感じがします。

関門JAPANボクシングジム

関門JAPANボクシングジム。選手たちはここで練習します。

高橋会長とボクシング、そして「3つの理念」

中川:高橋会長のボクシングについての話を聞かせてください。

高橋:若い頃から間違った考え方をしていた為に多くの失敗を重ねながら、ボクシングも続けてきたのですが、ある日、とうとうリング事故に遭い開頭手術を受けたんです。そのときは死ぬかもしれないと言われていました。

手術の結果、なんとか一命を取り留め、目覚めたのが6月6日で、その日は僕の23歳の誕生日でした。

その後、2年ほどボクシングから離れて就職していたんですが、そこは自分の居場所じゃないと思い、26歳のときにボクシングジムを立ち上げました。

ボクサーとして周りからも期待されていましたし、自分でもボクシングの才能があったと思っています。しかし、何も結果を出せずに現役生活が終わりました。ですから、ジムの立ち上げは、僕にとって敗者復活戦のように感じていました。

僕は子どもの頃から追及する事と人に教えることが好きでした。これは持って生まれた資質だと思っています。

ジムを開いた当時は現役のまま、まだエゴ(自我)が強く利己的でした。その中で、懲りずに自分の成功を追求していたんです。

ところが、ジムを開いて3年目に、人間的に成長しないと結果が出ないことを痛感するできごとがありました。

中川:ええ。

高橋:数年育成してきた選手が初の全国大会に出場したんですが、絶対に勝てると思ったのに、1回戦で負けてしまったんです。その姿は、まるで過去の自分のようでした。
これは「俺なんだ」。
自分を写しているように感じました。

そこで僕が取り組んだのが「読書」でした。
様々な本を読んでいくうちに、自分には「利他の心(※)」が足りないということに気づきました。
(※)他人に利益を与えること。自分の事よりも他人の幸福を願うこと。

そこから、自身やジムの理念にしたのは

「人の為に」
「今できる事」
「自分次第」

この3つです。

その翌年、その選手は同じ大会で優勝しました。翌年には教え子二入揃っての全国大会優勝やアマチュアボクシングの最高峰である全日本選手権大会で三位入賞という地方ジムではかなり希な成績も残しました。門司区と下関市に二つあったジムも順調に運営し、念願のプロ加盟を果たし、自主興行(関門ドラマティックファイト)も成功していきました。

自分の「気づき」が正しかったことを確信しました。

中川:なるほど。素晴らしいですね。

アスリートのコーチング

中川:最近、アスリートのコーチングも行っているとのことですが

高橋:一般の悩み相談の他に、ボートレーサー(競艇選手)が数名来ています。

プロのアスリートが結果を出せていないときは「何かに執われている(とらわれている)」んです。「執われ」ているから考えすぎて潜在意識が働かずに“ゾーン”に入れないんです。
顕在意識(思考)で何かをしようとすると、どうしても限界があります。
それらを手放して潜在意識(感覚や直感)に任せてしまえば、“ゾーン”に入れるんです。

中川:ここでいう“ゾーン”とは、超集中状態とも呼ばれ、アスリートが大きな結果を出せる状態のことですね。

高橋:その通りです。
思考の領域を使うと間に合わないんです。だから感じなければならない。
そうすると0.01秒を縮めることができ、成績が上がるんです。
ブルースリーの名台詞 考えるな!感じろ!です。

成績が安定しないのは、頭の中に妄想が吹き荒れていて心が穏やかでないからです。
喜怒哀楽の激しさは、成績に直結します。
感謝を知り、利他や穏やかな心を持てば、成績の上がり下がりは少なくなります。

人間なのでどうしても波は出てくるのですが、穏やかな心を持つことで、高い位置で小さく波打つようになります。

「勝ちたい」と思うときは「負けたくない(否定)」が前提のマインドになります。いかに自分のマインドを勝っている状態(自信や肯定)に持っていけるかなんです。

さいごに

中川:最後に、読者の方に伝えたいことがありましたらお願いします。

高橋:人間は苦労や失敗をしないと気づけないところがあると思うんですよね。
なので、苦労や失敗は神様からの愛だと思っています。
悩み苦しむから真理に気づける。苦労なくして成長なしだと思います。
だから失敗や負けを怖れることはないんです。その後に成長するんですから。

そしてもうひとつ。

反応が変われば思考も行動も変わります。
良い反応をすれば、必ず良い人生になります。逆に、悪い反応をすれば思考も言動も悪くなり、良い結果を出すことができません。
ですから、反応から変えていく必要があるんです。

そうはいっても、反応を変えるのはとても難しいんです。

僕の一番の仕事は、「その反応」の原因を突き止めて、それに気づいて頂く事です。また、気づいた原因への執着を手放していくお手伝いも。こうして物事への認知や反応が変化してこそ、人間変革が成しえたと言えるんだと思います。

中川:なるほど。良くわかります。悩んでいる人にはぜひ受けてみてほしいです。

高橋:僕のコーチングを受けてみたいという方には誠心誠意、全身全霊の愛をもって悩みや苦しみを解消し、幸せになって頂きたいと思っています。

中川:ありがとうございました。

コーチングを受けた感想
実はこのインタビューの1週間前、私(ナリシゲ)も高橋会長のコーチングを受けてきました。
コーチングを受ける中で、自分の過去と向き合わなければならず、そのときは少し心が沈みました。
同時に過去にとったさまざまな行動の理由を知ることができ、自分の心にあったモヤモヤが払拭されました。
自分の気持ちが沈んだときの対処方法を知ることができたのが大きいですね。

高橋会長が、私の理解が進みやすいように、私の人生に沿って言葉を選んでくれたからこそ、一歩前に進むことができたなと思います。ありがとうございました。
(個人の感想です)

企画・インタビュアー:中川康文さん
編集・執筆:ナリシゲ
協力:関門JAPANボクシングジム(山口県下関市)